多汗症|いなみや皮フ科クリニック|地下鉄今里駅の一般皮膚科・美容皮膚科

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多汗症

多汗症|いなみや皮フ科クリニック|地下鉄今里駅の一般皮膚科・美容皮膚科

多汗症とは

多汗症とは、汗の量が非常に多いため日常生活に支障が出ている状態を指します。
多汗症には、全身から多くの汗をかく『全身性多汗症』と、ワキや手のひらや足の裏など部分的に多くの汗をかく『局所的多汗症』があります。
また、全身性多汗症には特に原因のない原発性と感染症、内分泌代謝異常や神経疾患に合併するものがあります。

汗をかくと、汗の水分が皮膚で蒸発する時に周りから熱を吸いとり(気化熱)、皮膚の温度が下がります。汗は体温を下げ、体が熱くなりすぎるのを防いでいます。体温が上がったという情報を脳が受け、その情報を神経に伝えます。そして、神経から汗を出す刺激となる物質が汗をかく器官であるエクリン汗腺に伝えられ、エクリン汗腺から汗が出てきます。

汗をかくメカニズム

局所多汗症

①掌蹠多汗症(手のひらや足の裏の多汗症)

幼少児期ないし思春期ころに発症し、手のひら、足のうらに多量の発汗がみられます。発汗の程度は個人差があります。軽症の場合は特定の状況、例えば物を持つ時やストレスが高まる時に汗が出る程度ですが、重症化すると常に汗が滴り落ちたり、ノートに汗が滴り落ちて字が書けなくなるほどになります。睡眠中は発汗がおさまっていることが多いです。

②腋窩多汗症(ワキの多汗症)

「原発性腋窩多汗症」は、原因不明の過剰なワキ汗が6か月以上持続していることに加え、以下の6つの症状のうち2つ以上が当てはまる場合に診断されます。

  1. 最初の症状が25歳以下であること
  2. 左右両方で同じように発汗が見られること
  3. 睡眠中は発汗が止まっていること
  4. 1週間に1回以上多汗の症状が出ること
  5. 家族にも同じ疾患の患者さんがいること
  6. わき汗によって日常生活に支障をきたすこと

原発性多汗症の治療

①外用薬

抗コリン薬

エクロックゲル

ワキ汗(腋窩多汗症)に対して使用される「塗るタイプ」の塗り薬です。
発汗を促す物質「アセチルコリン」の作用を阻害することで、過剰な発汗を抑えます。1日1回、入浴後に塗布します。12才以上の方に使用出来ます。緑内障や前立腺肥大症の方には使用出来ません。

ラピフォートワイプ

ワキ汗(腋窩多汗症)に対して使用される「拭くタイプ」の塗り薬です。
発汗を促す物質「アセチルコリン」の作用を阻害することで、過剰な発汗を抑えます。1日1回、入浴後に使用します。拭くタイプなので使い切りなのが特徴の薬です。9才以上の方に使用出来ます。緑内障や前立腺肥大症の方は使用出来ません。

アポハイドローション

手のひらの多汗症(手掌多汗症)に対する治療薬の初めての保険適応薬です。
発汗を促す物質「アセチルコリン」の作用を阻害することで、過剰な発汗を抑えます。1日1回、寝る前に両手の掌全体に塗っていただきます。1回分の目安は5プッシュで左右の手のひらに均等に塗広げ、そのまま就寝します。起きたらすぐに手を流水で洗っていただきます。
12才以上の方に使用出来ます。緑内障・前立腺肥大症・重篤な心疾患・イレウス・重症筋無力症・甲状腺機能亢進症などをお持ちの方には使用できなかったり慎重投与となります。

汗をだす指令をブロックするお薬

塩化アルミニウム外用液

主に足の裏や手のひらの多汗症に使用します。皮膚表面にある汗の出口を塞ぐことで発汗を抑えます。
重症度が高い場合は、お薬を塗った後にラップなどで覆い密封していただくケースもあります。主な副作用として、塗布部位の皮膚の炎症やかゆみなどがあります。保険適応薬ではありませんので、自費での購入となります。

汗の出口をふさぐお薬

②内服薬

プロバンサイン

主に原発性全身性多汗症の方に対して使用します。
神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを妨げる薬で、抗コリン薬とも言われています。
主な副作用として、口の渇きや頭痛・便秘・目のかすみ・眠気などがあります。また緑内障・前立腺肥大症・重篤な心疾患・麻痺性イレウス・甲状腺機能亢進症などをお持ちの方には使用できなかったり慎重投与となります。

漢方薬

③イオントフォレーシス

手足の多汗症で使用されます。手や足を水中、または濡れた布の上に置いて行います。水中で発生させた水素イオンが汗の出口を小さくすることで発汗を抑えます。
*当院では施術しておりません。

④ボツリヌス毒素局所注射

ボツリヌス菌が作るボツリヌス毒素が神経細胞内で作用し、発汗指令物質のアセチルコリンが神経の外に出られないようにします。
*当院では施術しておりません。

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